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2012年後半アジアで開催された大規模国際展を通して、アートの現在と未来を考える

2013年01月31日(木)19:00-21:00 (受講料:2000円)

年は改まりますが、2012年にヨーロッパで開催された国際展
(ベルリンとブカレスト・ビエンナーレ、マニフェスタ、ドクメンタ)についての
講義『2012年前半ヨーロッパで開催された大規模国際展を通して、アートの現在と未来を考える(1)(2)』に続き、
美術評論家・市原研太郎氏による
2012年後半アジアで開催されたビエンナーレ(光州、釜山、台北、上海)から
釜山と台北を取り上げた講義を行います。

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▲釜山ビエンナーレの会場(釜山市立美術館)

アジアで開催される国際展のうち、なぜ釜山と台北なのか?
ここに本講義の重要なポイントがあります。
その2つは明確なテーマのもと、適合した作品群で構成されていたのです。

ヨーロッパで開催された国際展と同様に、今やビエンナーレなどの国際展は
テーマ設定が不可欠であることは言うまでもありません。
その上でテーマをどのように深化させ、
展覧会として全体化するかを熟慮することが、
展覧会の成否を決定する鍵となるのです。

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▲釜山ビエンナーレのロビー展示風景


有名アーティストの作品を総花的に展示しても、
現代アートに鋭い関心を寄せる鑑賞者には
不満の残る物足りない内容になるでしょう。

大きな変動期を迎えている世界で活動するアートの状況は、
『ドクメンタ』のように現代に切り込む包括的なテーマを求めてもいます。
したがって、最先端のアートを紹介する国際展は、
この時代にとって必須のテーマの設定と、テーマを具現化する作品の選択、
そして、それらの作品を展覧会にどのように提示するかが重要になってきます。

このような進展を遂げるに至ったのは、
アートの背景にある現実世界の急激な変化の影響があるでしょう。
時代の転換期にあっては、「アートは以前のような性質や様態であってはならない」
という意識が各国際展のキュレーターにあり、
それが如実に展覧会の企画と内容に現われるのです。
アートがグローバル化した現在、ヨーロッパだけでなくアジアでも、
以上に述べた意識に貫かれた国際展が開催されています。

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▲(左)台北ビエンナーレの会場(台北市立美術館)(右)台北ビエンナーレのロビー展示風景

今回のレクチャーは、2012年後半アジアで開催された国際展から
釜山と台北のビエンナーレを取り上げ、展覧会の模様とテーマ、
そして展示作品が投げ掛けるアートと現実世界への問題提起を摘出します。

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▲『TRANS ARTS TOKYO』の会場となった旧電機大学

また、併せて2012年10〜11月に旧電機大学で開催された
『TRANS ARTS TOKYO』に言及し、ヨーロッパ、アジアで繰り広げられる
こうしたアートの動向が、日本においてどのような形で出現するのかについて
考察します。

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市原研太郎(美術評論家)( 講師紹介

市原研太郎(美術評論家)

MESSAGE

これまで、世界で開催されているビエンナーレのレポートを定期的に行ってきました。ビエンナーレが、その時代の現代アートの状況だけではなく、現代世界の動向を知るバロメーターになっていることは、以前のレクチャーで明確になってきたのではないでしょうか。とくにアートマーケットではなかなかお目にかかることのない、社会的、政治的問題を扱った作品が大勢を占めるビエンナーレを観れば、ローカル・グローバルに展開される世界の情勢を、各ビエンナーレ独自の視点で切り取る興味深い作品がひしめいています。アジアで開催されているビエンナー

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