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2012年前半ヨーロッパで開催された大規模国際展を通して、アートの現状と未来を考える(1)

2012年09月03日(月)19:00-21:00 (受講料:2000円)

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▲マニフェスタ:Genk(ベルギー)の会場風景

2012年前半にヨーロッパで行われた定期開催の国際展
(ベルリン・ビエンナーレ、ブカレスト・ビエンナーレ、
マニフェスタ、ドクメンタ)を鑑賞することで、
現代アートの最先端の状況を紐解くだけでなく、
現代アートひいては"アートとは何か?"を考えてみます。

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▲ドクメンタ:記者会見の模様(中央が、アーティスティック・ディレクターのCarolyn Christov- Bakargiev)


21世紀の初頭、9.11の同時テロとアフガニスタン侵攻に始まり、
アラブの春の現在に至る重大な政治的事件、
リーマンショックに始まり、ユーロ危機の現在に至る世界的な経済の低迷、
そして、3.11の大震災と原発事故のカタストロフに象徴的に現れた
近代文明の進歩主義に対する警鐘。

世界は、今まさに歴史的な転換点に差し掛かっていると思われます。
この大変動の時代に、アートはどのような態度と行動で臨めばよいのでしょうか?
それ以前に、アートは自らの本質や機能について
反省するよう迫られているのではないでしょうか?

アートをめぐる状況は、このように大きく変化しています。
バブルの崩壊にともなう経済不況は、
現代アートのマーケットを後退と縮小に追い込みました。

現代アートの最先端の動向を知るには、もはやアートフェアではなく、
その徴候を提供する大規模国際展を参照しなければならないように思います。

2010年代に入って、ビエンナーレを中心とする国際展に
顕著な変化が見られました。そのもっとも目立った例が、
ドクメンタと並んで現代アートの最大の祭典である
ヴェネツィア・ビエンナーレです。

このビエンナーレに選出されたアーティストの作品群が、
私が「反省のアート」と「社会性のアート」と分類したアート
http://artscape.jp/focus/10006403_1635.htmlをご覧ください)
で独占されていたのです。

そして2012年の今年、ヨーロッパで開催されたビエンナーレ
(ベルリン、ブカレスト、マニフェスタ)とドクメンタは、
この傾向をさらに深化、発展させたかたちで展覧会が構成されていました。
今やこの無視できない現代アートの動向を、
それぞれの展覧会の作品の資料(写真、動画)をもとに紹介しながら
跡付けていきたいと思います。


<講義内容*全2回*>
●9月3日(月)19:00〜21:00
『2012年前半ヨーロッパで開催された大規模国際展を通して、
 アートの現状と未来を考える(1)』

ブカレスト・ビエンナーレ―歴史、政治、社会に埋め込まれたビエンナーレとは?
ベルリン・ビエンナーレ―展覧会を超える展覧会は何を目指すのか?
マニフェスタ―テーマ型の展覧会は成功するか?

●9月21日(金)19:00〜21:00『2012年前半ヨーロッパで開催された大規模国際展を通して、 アートの現状と未来を考える(2)』
ドクメンタ―5年に一度開催される世界最大の国際展は、見事に復活したのだろうか?
今回のドクメンタからBEST 20を選び出し、展覧会のテーマを掘り下げながら、展示作品のレベルを評価します。

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市原研太郎(美術評論家)( 講師紹介

市原研太郎(美術評論家)

MESSAGE

これまで、世界で開催されているビエンナーレのレポートを定期的に行ってきました。ビエンナーレが、その時代の現代アートの状況だけではなく、現代世界の動向を知るバロメーターになっていることは、以前のレクチャーで明確になってきたのではないでしょうか。とくにアートマーケットではなかなかお目にかかることのない、社会的、政治的問題を扱った作品が大勢を占めるビエンナーレを観れば、ローカル・グローバルに展開される世界の情勢を、各ビエンナーレ独自の視点で切り取る興味深い作品がひしめいています。アジアで開催されているビエンナー

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