世界の都市のギャラリー・シーン 3(ベルリンとチューリヒ)
2013年11月27日(水)19:00-21:00 (受講料:2000円)
AFTでは、積極的に海外のアートフェアや国際展に足を運ぶ
美術評論家・市原研太郎氏を講師にお招きし、
世界のアートシーンで"今"何が起こっているのかを
伝えるレクチャーを定期的に開催しています。
これまで、ヨーロッパやアジアの大規模国際展、
ニューヨークの最新アートマーケット、
今盛り上がりを見せている香港のアートマケットについての
レクシャーを開催してきました。
今回は、コマーシャリズム(作品の売買を第一に考え、作品の商品化を推し進める)のマーケットの力に対抗するアートを、いかにマーケット自身が構築するかを、ベルリンのギャラリーを例に挙げて解説します。
マーケットのみがアートを作り上げるのではないことは明らかですが、
マーケットの代表であるギャラリーが、コマーシャリズムに対抗する力をマーケットの内部で育む。
そのようにして、個々のギャラリーとしてではなく、
マーケット全体としてバランスを取ろうとする
ベルリンのギャラリーの都市文化に貢献する真摯な姿勢に注目します。
併せて、有力なギャラリーを擁する少数精鋭主義のチューリヒのギャラリー・シーンも紹介します。
【講師からのメッセージ】
世界の都市のコマーシャル(パブリックやオルタナティブではなく)のギャラリー・シーンを紹介する第三弾のレクチャーです。 過去二回は、爛熟ゆえにギャラリー間の格差が拡大し、新進ギャラリーにフェティシズムが瀰漫するニューヨークと、発展途上だが都市の活力とともに非常な勢いで成長する香港のギャラリー・シーンを紹介しました。そこで、今回は、ギャラリーの活動が成熟しつつあるベルリンと、その一つの完成型と思われるチューリヒを取り上げ、アートにおけるギャラリーの果たす役割について考察します。