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UBERMORGEN.COM/アーティスト

UBERMORGEN.COM/アーティスト

MESSAGE

このトークでは、これまでの主なプロジェクトを紹介しながら、私たちが一貫して取り組んでいる「メディア・ハッキング」や「コンセプチュアル・アート」というアプローチについてお話しします。これらはいずれも、現代のグローバル化した富の構造や、リサーチを基盤としたアートやデジタル・アクショニズムの展開と密接に関係するものです。社会の諸システムがいかに稼働し、誰がどのように立ち回っているのか‥、などを検討しつつ、私たちがなぜこのような活動をしているかについても言及したいと思います。

PROFILE

ウィーン、スイスのバーゼルおよびサン・モリッツを拠点にするlizvlxとハンス・ベルンハルトによるアーティスト・デュオ。彼らのサイトは、現代ヨーロッパの前衛としての――矛盾にあふれ偶像破壊的な――錯綜したアイデンティティに溢れている。コンセプチュアル・アート、ソフトウェア・アート、ピクセル・ペインティング、インスタレーション、法に関するアート、ネット・アートなどを含むオープンな回路に向けてメディア・ハッキングを敢行し、作品をハイブリッドな総合芸術へと変換する。コンピュータやネットワークは利(悪)用されうるし、事実とフィクションの混淆状態に常時あるため、扱う素材やトピックは極端に広範囲――たとえば国際法、海賊行為、eコマース、拷問、民主主義、グローバル・コミュニケーション――なものとなる。UBERMORGEN.COMは、先入観にとらわれず現在と未来をキャプチャーし増幅させる。UBERMORGENはドイツ語で「明後日」と「超-明日」という意味である。

講義内容

2000年の米国大統領選の際に投票権をオークションにかけた《VOTE-AUCTION》、Googleのクリック広告AdSenseで得た収入で同社の株を購入する《GWEI(Google Will Eat Itself)》、Amazonの「なか見!検索」を利用して本のコンテンツをそっくり入手した《Amazon Noir》、メキシコ湾原油流出事故の人工衛星画像から起こした「オイル・ペインティング」シリーズ《DEEPHORIZON》‥。

アーティスト・デュオUBERMORGEN.COMは、ネット・アートやメディア・アートに加え、近年は現代美術の分野でも世界的に注目を集めるユニークな存在です。結成直後、《VOTE-AUCTION》が数多くのプレスで取り上げられた彼らは、ネット上のプロジェクトに加え、ヴィデオ、ソフトウェア・アートやパフォーマンス、ペインティングなど多様な表現を展開してきました。

UBERMORGEN.COMの活動は、グローバルネットワークや最新のソフトウェアの枠組みやネット・アートの概念、またデジタル・アンダーグラウンドから生まれるラディカルな土壌を背景としています。それは現在社会で実際に稼働しているシステムへと挑発的・批評的に介入することでシステムの盲点を突き、既存の価値観に疑問を突きつけるとともに、アートと社会との境界をぶらすことでアートの可能性を拡張する試みともいえるでしょう。

トークでは、彼ら自身によって2000年から2011年までの活動が俯瞰されるとともに、近年展開されているリサーチを基盤とした現在進行形のプロジェクトについて語っていただきます。また日本で新たに開始されるリサーチについてもお話しいただく予定です。

CNN_VOTEAUCTION_Screen_300dpi_20x20cm.jpg
[V]ote-Auction, CNN "Burden of Proof", 2000, Screenshot
http://vote-auction.net


Seal_Amazon_Noir_02.jpg
Amazon Noir Seal Variation 3, 2006, Various dimensions, Print
http://amazon-noir.com


TORTURE_CLASSICS_ISRAELI_POWDERLYのコピー.jpg
TORTURE CLASSICS Banana Position, 2010, Performance Photograph
http://tortureclassics.com


CLICKISTAN_300dpi_25x12cm.jpg
Clickistan View 24, 2010
http://clickistan.org


http://www.UBERMORGEN.COM
http://en.wikipedia.org/wiki/Ubermorgen
http://twitter.com/UBERMORGEN_COM


協力:オーストリア大使館
コーディネーター:四方幸子
通訳:デヴィッド・ディヒーリ

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