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矢内原美邦(ダンスカンパニー・ニブロール主宰)

矢内原美邦(ダンスカンパニー・ニブロール主宰)

MESSAGE

ダンス表現が特別なテクニックを持っている人のためにあるわけではないということを 話あい、美術におけるパフォーマンスという分野をどのように広めてゆくか?いろいろな所の境界線をくずして ゆくことで、どのような広がりが期待できるか?なにかのヒントになればいいと思います。

PROFILE

(やないはら みくに)ダンスカンパニー. ニブロール主宰。大学で舞踊学を専攻、在学中にNHK賞、特別賞など数々の賞を受賞。日常の身ぶりをモチーフに現代の空虚さや危うさをドライに提示するそ の独特の振付けは国内外での評価も高く、身体と真正面から向き合っている数少ない振付家のひとりと言える。2001. ランコントレ・コレオグラフィック・アンテルナショナル・ドゥ・セーヌ・サン・ドニ賞受賞 / 2009. 日本ダンスフォーラム大賞受賞。ミクニ ヤナイハラプロジェクトでは演劇、劇作にも挑戦し、第56回岸田國士戯曲賞受賞。ジャンルを問わないその活動はニブロールのみならず、多数のアーティストとコラボレーションするなど世界中を 舞台に活躍し、ダンス/演劇の両分野で高い評価を得ている。舞台作品に平行してアート作品の制作もoff-Nibroll 名義で映像作家の高橋啓祐とともに活動し、世界各地の美術展にも招聘されている。http://www.nibroll.com

講義内容

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1997年に結成した「Nibroll(二ブロール)」。
先日「第56回岸田國士戯曲賞」を受賞し、
ダンス、演劇の両分野で高い評価を得ている振付家・矢内原美邦を中心に、
映像作家、音楽家、美術作家とともに、
舞台作品を発表するダンス・カンパニーです。

振付・演出をつとめる矢内原さんは、日常の身振りをモチーフに、
現代の空虚さや危うさをドライに提示。
身体と真正面から向き合う作品を手掛けています。

「『ダンス』としての作品は作っていません」

作品についてこう語る矢内さん。
ダンスだけに注目するのでなく、そこに、
演劇や美術の要素が入ることで自身の作品が生まれてくるのだそうです。

Nibroll はこの数年、表現の場の新たな可能性として、
大原美術館、高松美術館、塩江美術館、韓国ゴウヤングスタジオ、
台北クウーリーチェー劇場、タイのララファインアーなどで
展示とダンスパフォーマンスの展開を試みてきました。
現地の人がダンサーとして出演したり、
ワークショップに参加してくれた人たちと行った内容を
ビデオ作品として展示したり。
劇場空間外でのダンスパフォーマンスの可能性、
身体の可能性を非常に強く感じていると、矢内原さんは言います。

最新作『see/saw』では、生と死、記憶を表現。
オーディションを受けた人すべてを舞台に出演させ、
それぞれの記憶の断片を集めて、作品自体を記憶化するということに
挑戦したのです。ダンサーのように鍛え抜かれた身体ではない人も、
舞台に立つのも初めてという人もいましたが、それもまた真実。
その人にしか表現しきれない風景、多くの"真実"が舞台の上で繰り広げられました。

現在行われている『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012』では、
地域の参加者を募り、その土地の記憶を掘り起こし、
今と未来をつなぐ作品として『sea/saw』を発表。

本講義では、さまざまな境界線を崩しながら
ダンスパフォーマンスの可能性を追求する
「Nibroll 」作品の生まれ方から演劇・美術、社会との関わり、
パフォーマンスの新たな可能性についてお話いただきます。

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