僕たちが生きる現在は、いろんなものや人や思想が飛行機に乗って、インターネットに乗って、すごい量、すごい早さでやってくる時代です。そしてその全部を「理解」しようとするのはとても難しい。むしろ、わけの分からないものをわけの分からないままなんとか引き受ける。わからないものをわからないまま楽しめるような技術が必要な時代だと思うのです。そして僕にとって美術はわけのわからないものをうまくひきうけていくための練習の場なのです。

1969年、神戸市生まれ。ベルリン在住。1990年代初頭より世界中の多くの場所を旅しながら、人間の生き方や新しいコミュニケーションのあり方に関するパフォーマンスやインスタレーション作品などを制作している。 パリのポンピドー・センター、ロンドンのヘイワード・ギャラリーなどでのグループ展や03年ヴェニス・ビエンナーレ、06年サンパウロ・ビエンナーレなどの国際展に多数参加。（http://www.shimabuku.net/）